日本の小学校は6学年で構成されており、低学年では、学級の中において必要な仕事を分担して行う当番活動や、学級での生活をより楽しく、または快適に過ごせるよう、児童みずからの発意と工夫で行う係活動のように、学級の中でできることを行うことが通例です。高学年になると自分の学級、自分の学年だけでなく、下級生のことも含む学校全体のことを考えたり、話し合ったり、その結果決めたことを実行したりする活動が始まります。
ここに挙げる委員会活動は、高学年の児童が、学級や学年の枠を超えて、同じ関心を持つ児童でグループを作り、いっしょに話し合って決めたことを実行していく活動です。
対象学年:
活動カテゴリー:
時間:
小学校
児童会活動
月に1回1時間程度
ねらい
- 児童の自発的、自治的な活動を通して、異年齢の児童の人間関係を形成したり、社会参画の態度を育成したりします。
- 所属する委員会の活動において、児童は自らの発意・発想を生かして創意工夫し、自主的、実践的に取り組む態度を養います。
- 一人一人の児童が、所属する委員会の活動の中で、自分の責任や役割を果たし,自己有用感や達成感を得られるようにします。
- 児童が、それぞれの委員会活動にて、話し合って合意形成を図ったり,決めたことを協働して取り組めるようになります。
用意した教材・必要な教材
実施順序
(1)教員による事前準備(委員会活動ハンドブック2~3頁参照)
外国の小学校で初めて導入する場合には、自分の学校にどのような委員会があると望ましいか、それぞれの委員会には何人位の児童が参加して欲しいかを、事前に教員が話し合って設定しておきます。日本では一般的には5年生と6年生児童が参加しますが、児童数が少ない学校の場合には、4年生にも参加してもらいます。
(2)児童が参加する委員会の決定
新学年度が始まると、対象となる高学年の児童にアンケート調査し、それぞれが参加したい委員会を聞きます。教師が設定した人数枠に近ければいいですが、あまりにも参加希望が多い委員会、あまりにも少ない委員会がある場合には、それらの間で多い方から少ない方に異動してもいいという児童がいないか探します。
(3)年間計画(委員会活動ハンドブック23頁参照)
委員会活動の担当教員は、学校の年間計画を参考にしながら、委員会活動を児童が行う日程案を作成します。委員会活動に参加する学年の教員と重要な学校行事等と重なっていないか等を確認し、最終的には全学年の教員と職員会議等で情報共有します。
(4)児童による最初の委員会活動
年度最初の委員会の活動では、各委員会のメンバーの中から委員長や副委員長を決めたり、各委員会のめあてや年間活動計画を話し合ったりします(委員会活動ハンドブック15頁参照)。
(5)毎月の活動
その後も月1回程度メンバーが集まって、計画の実施に向けて話し合ったり、実際に計画を実行したりする機会を持ちます。
(6)常時活動(委員会活動ハンドブック4~14頁参照)
各委員会の児童は、自分たちで決めたことに沿って常時活動を行います。今回紹介する委員会活動ハンドブックに例示されている委員会の常時活動には、図書委員会の本の貸し出しや、飼育・栽培委員会の花壇の水やりのように、毎日行う必要のある活動もあれば、環境・生活委員会の落とし物整理や、保健委員会の手洗い用液体洗剤の補充、複数の委員会で挙げられているポスター・新聞作りのように、時々行う活動もあります。
(7)発展の形
常時活動が定着してきたら、次のような工夫も加えてみましょう。
◇委員会紹介コーナーの設置(下出の委員会活動ハンドブック22頁参照)
◇委員会イベントの開催(同ハンドブック17~18頁参照)
◇6年生引退式(5年生への引継ぎ式)(同ハンドブック21頁参照)
参考資料
国立教育政策研究所 小学校特別活動映像資料
当番活動
(日本語)https://youtu.be/NJwrlI8X5-Q
(英語字幕付)https://youtu.be/WIVitAg-BnQ
係活動
(日本語) https://youtu.be/xXVfL1T8G5A
(英語字幕付) https://youtu.be/qGMPkD0EmOQ
係活動をテーマにした学級活動(1)
(日本語) https://youtu.be/8il67HbTXZY
(英語字幕付)https://youtu.be/DrQhLM0bYvc
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