【日本・埼玉県】教科(算数)の学習を生かして、学級生活を楽しく豊かにする学級会

「みんなと楽しみながらコンパスの使い方がもっと上手になりたい!」算数のコンパスの学習を終えた後の子供の願い。その願いを自分たちで実現するために行われた学級会。創意工夫が生きた会となりました。


   対象学年:

   活動カテゴリー:   

   時間:

小学校3年生

学級会、特別活動、小学校

学級会活動(1)2時間(話合い活動1時間+実践1時間)


ねらい

  • 自発的に協働し、創造的な活動を通して、自分たちの生活を豊かにしていこうとする意欲や態度を育成する。
  • 日頃の学びを日常の生活に生かすことで豊かな生活が築けることを実感させ、教科の学びの向上を図る。

用意した教材・必要な教材

・学級会グッズ
・画用紙、ラシャ紙

実施順序

議題選定までの背景:算数の授業を終えて

・初めて使うコンパスに興味関心が高く、意欲的に学習を終えたが、コンパスの使い方が定着し切れず、どうにかしたいという教師の思いがあった。
・休み時間や宿題(自主学習)に、コンパスを使って練習する(ひたすら円を描いたり、円を組み合わせてイラストを描いたり)児童が多数見られた。
・児童が描いた円のイラストを学級の児童に紹介すると、「私も描いてみたい」という声があがった。
・そこで、教師が「学級会で話し合えることになるかな?」と児童に問いかけると、「クラスみんなでやってみたい。」という声が上がり、次回の学級会の議題の候補となった。

☆決して教師の思いを一方的におしつけるのではなく、児童が課題に気づけるような声かけなどをして、児童の思いや願いを引き出してあげることが大切です。

1 学級会(話合い活動)の準備をする。

①    「みんなでコンパスの使い方をもっと上手になりたい」と話した児童の強い願いに学級の多くが共感し、この議題「コンパスを使ったイラストコンテストをしよう」が選定された。
②    計画委員を中心に、教師と提案理由を明確にし、学級会ノートなどを作成した。
③    事前に学級会ノートで児童一人一人の意見を集め、学級会(話合い活動)の前に、全体に意見を周知した。

議題や提案理由

 事前に意見を把握する計画委員

2 学級会で話し合う。

①    話し合うこと①では、「どんな賞がいいか」について話し合い、「お花賞」、「動物賞」、「きらきら素敵で賞」、「ハロウィン賞」、「キャラクター賞」が決まった。
話し合う中で・・・「キャラクター賞」を決める際、「難しそうだからやめた方がいい」という児童の意見に対し、「やりたい人もいるから決めてあげてもいいのではないか」という意見が出され、少数意見の児童の思いを尊重し寄り添う姿が見られた。
②    話し合うこと②では、「コンテストの工夫をどうするか」について話し合い、「賞状をあげる」、「(賞状の授与式の司会は)面白い人がやる」、「(やりたい人は)順位を決める」、「全員の絵を黒板にはる」、「表彰中に曲を流す」という意見が決まった。
話し合う中で・・・「順位をつけるのは、下位の人が嫌な思いをする」という児童の意見から、話し合うこと①でもあったように、「やりたい人の中から順位を決めればいいのではないか」という意見が出され、順位を決めてもらいたい児童と順位を決められて嫌な思いになる児童両方の思いを汲み取る姿が見られた。
③    話し合うこと③では「どんな役割が必要か」について話し合い、当日の司会などを含め、「それぞれの賞の賞状を作る係」、「曲を流す係」が決まった。     
 

 話合いの様子

話合いが終わった後の黒板

3 コンパスイラストコンテストの会に向けて準備をする。

①    話し合って決まったことをもとに、休み時間などに係で準備を進め、各自でコンパスを使った作品を描いた。
②    児童全員の作品が出来上がったら、ラシャ紙に部門(賞)ごとに貼って掲示し、順位を決めてもらいたい児童の作品の投票を行った。    

コンパスで絵を描く様子 

投票の様子

4 コンパスイラストコンテストの会を行う。

①    それぞれの部門(賞)から、一人一人に賞状を授与した。校長先生が表彰をする姿を真似し授与していた。
②    順位を決めてもらいたい児童の結果発表を行い、それぞれ賞状を授与した。
③    準備から会を終えるまでの活動を振り返り、シートに記入した。

賞状を授与する様子

【児童がコンパスを使って描いた作品】

【児童が作成した賞状】


【自分たちの作品をはった黒板と共に、もらった賞状を手に集合写真】

児童の振り返り

<執筆者から>

・話し合うこと(議題)を子供が見出せないときは、教師が日常の様子から、子供の「やりたい」を引き出すことが大切です。
・「やりたい」を引き出し、学級会を積み重ねていくことは、子供に成長する機会を多く与えることができるということだと思います。
・成長する機会の中で、子供が成功や失敗を繰り返すことが、子供の成長につながります。
・教師としても失敗を恐れず、子供を信じて任せながら、教師としてどのような指導や助言が必要か、日々試行錯誤することも大切だと思います。     

参考資料

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