身体測定

日本の幼稚園では、幼児の健康状態を確認するための健康診断や、成長を記録するために身体測定を、定期的に実施しています。その中から、「身体測定」の例を紹介します。各幼稚園で編成された年間計画の中に位置付けられ、毎月1回、あるいは学期ごとに1回の頻度で行われます。今回は、日本の幼稚園で最もポピュラーな身長と体重の測定のみ示しています。測定結果は、保護者との情報共有のツールである「おたより帳」の該当ページに記録し、保護者に通知されます。健康な心と体の状態は一人一人の幼児によって異なるため、各家庭と連携を図ることで、一人一人の幼児の実情を捉え、幼児の健やかな発育を促しています。


   対象学年:

   活動カテゴリー:   

   時間:

幼稚園の全ての学齢

幼稚園、健康・衛生、身体測定

各園の実情に応じ、毎月1回、あるいは1学期に1回程度、


ねらい

幼児向け
  • 幼児が身長の高さや体重の重さに関心を持つようになること。
  • 幼児が自分の体の成長や発達に関心を持ち、健康の大切さを知り、病気を予防する態度を身に付けていくようにすること。
幼稚園や保護者向け
  • 幼稚園側には、幼児の体が健やかに発達しているかを把握する機会となります。結果は保護者に共有し、保護者と共に連携して幼児の健やかな発育を促していきます。

用意した教材・必要な教材

  • 体重計

図1:身体測定に特化した体重計

図2:一般的なデジタル体重計

  • 身長計

図3:身長計

  • 幼稚園側の記録シート(またはPC上の表計算ソフト)
  • 保護者と情報共有するためのツール(日本の例:おたより帳)

図4:日本で使われているおたより帳の中の身体測定結果記録ページの例

実施順序

(1)年間計画

幼稚園の年間計画に位置付け、時間を確保します。健康診断の頻度や実施時期は幼稚園によってさまざまですが、学期ごと1回、あるいは毎月実施する園もあります。上に示す図4の例では、毎月実施されています。

(2)測定器具や記録シートの準備

園内で担当者を決めて、測定器具の用意や、記録シート(またはPCや表計算アプリ)の準備を行います。あらかじめ、おたより帳を使っている場合には、結果を記録して保護者に伝えるための記録用ページがあるものを選びます。使っていない場合には、1年分、あるいは幼稚園の全ての期間にわたって記録できる幼児の個人表を紙に印刷してもいいです。ICT化を進めている園は、個人表をネット上で保護者に共有できるようなページを作る、あるいはエクセル表などの表計算アプリに記載し、メールやメッセージで保護者に共有してもいいでしょう。

(3)測定と記録

測定前には、幼児の排泄のための時間を取っておきましょう。

自分の順番が来るまで幼児が列で待機する際に見守る教師、順番が回ってきた幼児の身長と体重を測定する教師、結果を幼稚園の記録シートに書き写す教師等、複数の教員を配置します。全員の幼児の測定と結果の記録が終わったら、教師は改めて、おたより帳または個人表に結果を書き写し、保護者への情報共有の準備も行います。

幼児向けのねらいとして、前述のように「幼児が身長の高さや体重の重さに関心を持つようになること」や「幼児が自分の体の成長や発達に関心を持ち、健康の大切さを知り、病気を予防する態度を身に付けていくようにすること」を挙げています。教師は、測定の最中に前回の数値と今回の数値を比べて幼児に説明したり、発育に関連するお話を準備し測定の前後で聞かせたりします。

(4)結果の共有

おたより帳または個人表を幼児に持たせ、保護者に情報共有します。順調な発育が見られる場合は問題ないですが、もし体重が減っているなどの兆候がある場合には、養護教諭や学校看護師等が配置されていれば、彼らと連携しながら、保護者への対応を検討します。

参考資料

図5:壁に物差しを貼って対応しているエジプトの例

トップに戻る

関連記事

前へ

幼稚園における幼児の健康な生活確立

次へ

集団活動による幼児の健康な生活確立

Page Top