【インドネシア】ゴールデンウィーク

図1:「Kelas Anak Ceria」を作りましょう

 2020/2021年度を迎えても、コロナの大流行は収まる気配がなく、どの学校も通信教育を実施しています。
 セント・ユスプ2バンドン校の教師たちは、新入生と顔を合わせることなく2020年7月19日に学期を迎えることになりました。学期が開始する2週間前の学校会議で、限られた状況でも黄金の体験として学年をスタートさせるにはどうしたらいいか、というアイデアが出された。そこで、教師たちは「ゴールデンウィーク」と呼ぶ活動を設計し始めました。
 この活動では、最初の週は、自分自身、仲間、あるいは教師との良好な関係を築くことに重点を置き、2週目は、内なるモチベーションを高めることに焦点を当てました。
 ゴールデンウィークを通して、先生や仲間の存在、一体感を感じられるような自己認識を持つように呼びかけることで、「気づき」「つながり」「やる気」を土台に、教科の話し合い、教室や家庭での活動の運営、放課後の活動などができるようになることが期待されています。また、子どもたちは、その場に受け入れられ、自立し、協力し合う学びの雰囲気を感じることができます。


   対象学年:

   活動カテゴリー:   

   時間:

プレイグループ、幼稚園、小学校、高等学校

学級会

1日30分〜1時間程度


ねらい

 「五感を使った活動」による自己認識、小グループ・ディスカッションによる関係づくり、プロジェクトによる可能性と意欲の表明を行い、互いに学び合いながら、文化や学級の基礎を形成することを学ぶ。

用意した教材・必要な教材

  • オンライン学習のためのデバイスとアプリケーション
  • ペアトーク実施要領
  • Have you ever…?ゲーム
  • 家庭での活動(料理など)
  • プロジェクト制作のための道具

実施順序

 パンデミック時の時間的制約を考慮し、ゴールデンウィークは2週間、1日30~60分程度で設計した。
 アクティビティの多くは、五感を使った活動、ゲーム、ディスカッションなど、特にBreakout RoomやJamBoardを応用してアイデアを表現し、生徒全員を巻き込めるものを実施。

<ゴールデンウィーク1週目>

 最初の週は五感を使った活動を通じた自己認識に重点を置いた。
・1日目:「視覚」に重点を置いた活動。1回目は自分を理解できるようになることを目的として、カメラを開き、Zoomの画面に映る自分の顔を見る。2回目はクラスの中にある多様な個性を見ることができるようになることを目的として、クラスメートの顔を見る。3回目は先生と生徒の間につながりを形成することを目的として、先生の顔を見る活動を実施した。

・2日目:「聴覚」に焦点を当てた活動。子どもたちが2人組、4人組、そしてクラス全体での話し合いで、心を込めて共感的に人の話を聞くセッションを実施した(詳細は「聞き合う喜び」を参照)。

・3日目:それぞれの経験を表現することに焦点を当てたゲーム「Have You Ever...?」を実施。ゲームを通して、子どもたちは「学校のZoomに参加したけれど、シャワーを浴びる時間がなかった」など自分の経験を表現することを学んだ。この活動を通じて最初は先生が質問を投げかけていたのが、子どもたち同士で「Have You Ever...?」と熱心に質問を投げかけるようになる。

 この活動での「Have You Ever...?」の問いかけ方、答え方から、先生も子どもも素直になることを学ぶだけでなく、状況を善悪で捉えないことを学ぶ。それにより、先生も子どもも、表に出ていないもうひとつの側面を見ることができるようになる。

図2:「Have You Ever...?」を経験した人はYES(YA)カードを見せてください 

・4日目:子どもたちが自ら何かを計画し、一緒に過ごす時間を楽しめるようにすることを目的に、触覚、嗅覚、味覚を感じることに焦点を当てる活動を実施。数日前に子どもたちに果物や野菜など調理していない食べ物を食べてもらい、翌日(4日目)に一緒に調理して食べることを計画した。一緒に調理して食べることで、子どもたちは意識(感覚)と好み(食べ物)を共有しながら聞く力を働かせた。

図3:朝食を食べる喜びをシェアしましょう

・5日目:子どもたちが小グループでの活動を管理する方法を学ぶことを目的として、プロジェクトの企画に焦点を当てた活動を実施。小グループでの話し合いを通じて、子どもたちが自分たちの興味を表現し、次に何を作りたいか、役割と責任の分担をどうするかを決めた。

<ゴールデンウィーク2週目>

 2週目は、子どもたちが自分たちで実施することへの挑戦を学びながら、グループの形成や運営を学ぶことに重点を置いた。
・1日目:子どもたちに自分たちが面白いと思うものをデザインし、作る時間を設けた。また、教師は子どもたちに、その過程を振り返る時間を設けた。

・2日目:子どもたちが挑戦したいことに取り組む時間を設けた。また、教師はグループメンバーそれぞれの役割と貢献を振り返りの時間を設けた。

・3日目:子どもたちはプロジェクトの中で何が重要か、チームワークをつくるために何が重要かをより意識しながら、作業を続ける時間を設けた。

 子どもたちはプロジェクトやその過程に関するプレゼン資料を作成し、日々の活動に活かす活動を設けた。グループの中には、プロジェクトとその過程に関する情報を収集するために時間を費やしています。

図4:学生主導によるプロジェクト作成とチームワーク構築のためのクラスディスカッション

・4日目:5日目に発表するプロジェクトやチームワークに関するプレゼンテーションの準準備の時間を設けた。各グループとも、プロジェクトの本質と自分たちのチームの活動に集中して準備を進めた。

・5日目:各グループでプロジェクトの制作過程やグループでのエピソードを共有した。

 このような2週目の体験は、教師が子どもたちに授業の目標や期待すること(この授業をどのようなものとして覚えておいてもらいたいか)を振り返り、議論させるのに役立った。

参考資料

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